『終局の後』
「開始」
・・・・・・眼前に血の色に染まった海が広がっている。
ふと、横を見る。
そこには良く知った、いや、お互い知りすぎてしまった少女が
包帯を巻かれたまま、放りだされていた。
(気持ち悪い)
最後に彼女が呟いた言葉。
それっきり、彼女は外界から心を閉ざした。
そして、その言葉を聞いた僕のココロも
・・・・・・その時、壊れた。
どのくらいそうしていたろう、
不意に彼女の表情の消えた顔と体に巻かれた包帯が
青い髪と赤い瞳を持ったもう一人の少女の姿とダブる。
・・・・・・綾波・・・・・・
不意に強い衝動が僕を突き動かす。
横たわる少女のプラグスーツを無理矢理剥ぎ取る。
一糸纏わぬ彼女の姿態が青い髪の少女を想わせ、
僕はさらに興奮した。
「綾波、綾波、綾波、綾波!」
そう叫びながら、僕は彼女を犯し続けた。
何度も、何度も。
何度目だったろう?
僕の劣情を彼女の中に幾度と無く吐き出した後。
狂おしいほどの興奮が去り、不意に僕は気づいた。
綾波じゃ、ない・・・
そこには
股間から血の混じった白い液体を垂れ流している、
蒼いうつろな目をした赤い髪の少女が
横たわるだけだった。
「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
あれからどれだけ経ったろう。
あの日以来、僕が彼女を犯さない日はなかった。
目が覚めると、彼女を犯し、やがて疲れ果てて、眠る。
昼間だろうが、夜中だろうが、僕には関係なかった。
・・・・・・やがて、彼女の腹部が目立って膨らんできた。
妊娠、したのだ。
当然だ、毎日、幾度と無く犯し続けてきたのだから。
腹が膨れ、不格好になった彼女に
僕は興味を失った。
少なくとも、性的には。
しかし、この生活に慣らされた僕のカラダは
始終、女性を求め続けた。
仕方なく、僕はLCLの海より女性を呼び戻す。
あの日以来、僕に与えられた力。
ありとあらゆる物をLCLの海より再構築する力。
今まで僕と彼女を生き延びさせた力。
それを使い、呼び戻した。
マナ、マユミ、委員長、ミサトさん、リツコさん、マヤさん。
そして
綾波、レイ。
マナとマユミは喜んで僕に身体を開いた。
彼女達の声は
喜びと喜悦に満ちていた。
委員長は
トウジの名を泣き叫びながら
無理矢理、僕に犯された。
ミサトさんとリツコさんは
僕に泣いて詫びながら
僕のカラダを受け止めた。
マヤさんは
僕の変わりように戸惑いながら
僕に力ずくで犯された。
しかし、幾度か身体を重ねた後
皆、LCLに戻してしまった。
彼女たちを抱いた時に彼女達が見せる
喜び
悲しみ
哀れみ
戸惑い
等の感情が今の僕には気持ち悪かった。
そして。
綾波、レイ。
かつて僕が淡い恋心を抱き続けた青い髪の少女。
彼女を初めて抱いた時
僕は
汚してはいけない物を
汚してしまったような気分になり
静かにすすり泣いた。
僕の肉棒にまとわりついた
彼女の鮮血を見てしまったからかもしれない。
マナやマユミ、委員長やマヤさんの時には
何も感じなかったというのに。
幾度か肌を合わせた後彼女の言った一言が僕のココロを軋ませた。
「碇君、私と一緒に暮らさない?」
その優しい、慈愛に満ちた言葉に
僕のココロは、耐えられなかった。
「やめてよ!どうしてそういう事言うんだよ、綾波!」
「彼女には、貴方を幸せにする事は出来なかった。
理由はそれで十分よ。」
そういうと、綾波は
不格好に腹を膨らませた彼女を一瞥した。
「解らない、解らないよ、綾波・・・。」
彼女から目を逸らし、
そう呟いた僕の頬に
ひんやりとした手をそえると
彼女は優しい笑みを浮かべ
そっと僕に囁いた。
「貴方が好きってことよ。」
「う、うああぁぁぁぁぁ!!」
耐えられなかった。
誰かに優しくされるのが。
誰かに好意を寄せられるのが。
かつて、狂おしいほどに
切望していたにもかかわらず。
ビシャ!
さっきまで綾波を形作っていたLCLが
飛び散り、土に吸われていった。
茫然とそれを眺めやる僕に
彼女の声が聞こえてきた。
(寂しくなったらまた呼んで。
私が慰めてあげるから。
それまでさよなら、
私の愛しい碇君・・・)
「うっうっうっ・・・」
その声を聴き
僕は、泣いた。
あの終局の後
初めて流した涙だった。
後書き
はじめまして、くじらんです。
EOEの続き、のつもりです。
ちょっと詩的な感じで書いてみました。
この続きを読みたい、といわれる奇特な方は
感想メールをください。
それでは。