『鬼』
自分の欲望
自分自身なにを望んでいるのか?
支配したいのか?
支配されたいのか?
浄化の炎
澱む沼の底に眠る
翼、夢、愛、名声
静かな生活
血塗られた道
刹那的な欲求
欲望に背を向ける自分
手に入らないモノに対する諦念
自分の望みどうりにならない事象
言葉で表せない矛盾
こうなりたいと願う
なれないことを理解している自分
あがき、傷つき、傷つけ、
与え、奪い、壊す
何も為さぬまま、白髪の混じる吾が髪
いつしか、生きて来た年月よりも
これから生きる年月が、短くなってしまったことに気付く
今はまだ、自分の欲求を押さえていける
今はまだ、社会道徳に支配されている。
何時だろう
自分が、自分の望みどうりに
生きていける様になるのは?
自分が、生きている意味
そんなことに囚われなくなったのは、いつからだろう
肉体的弱者、正常ではあるが、決して強くない自分
精神的弱者、一応正常ではあるが、逃避癖のある自分
その内に飼う 鬼
怒らず、愛想笑いをし、争うことの嫌いな仮面
あきらめ、脅え、些細なプライドを必死で守る
争わなければ、敗北もなく
生きている意味を探さなければ、絶望もない
けれど、
蠢く鬼
幾人かの、死を見つめ
幾人かの、生を知り
幾人かの、裏切りを受け
幾人かの、愛を受け
突出する心の角
けれど、
角を包む膜
今はまだ人
終