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WRITTEN BY K-TA
「たすけてよ。ねえ、ねえったら。アスカぁ 綾波は怖いんだ。 ミサトさんもやさしくしてくれないんだ。ねえアスカいつもみたいに ばかにしてよ。ねえ僕をみてよ」 シンジはベットに横たわる少女に懇願しその肩を必死にゆさぶっていた。 しかし薬で眠らされているのか、少女は静かに呼吸を繰り返すだけだった。 シンジの精神は目の前の少女と同様に崩壊寸前だった。 「ねえったら、ねえ! はっ」 ひときわ大きな声とともに強くゆさぶった結果、少女の服がはだけ病人とは思えないほど 艶やかな肌と豊かな胸が彼の目に映り息を呑んだ。 彼の理性は急速に失われていった。恐る恐るシンジはアスカの胸に手を伸ばした。 「やわらかい」 彼はかすかにつぶやいた。手に伝わる彼女の暖かさと柔らかさは彼の男の欲望を増大にするのに十分だった。 シンジはこの部屋が医者に監視されていることも忘れ、 必死に少女の胸をもみしだき、小さな乳首を口に含み回すように舌の上で転がした。 「ぴちゅ、ちゅく、ぴちゃ」 静かな部屋に音が響く。 アスカの様子は睡眠薬がよく効いているのか、乳首がわずかに硬くなっただけで、いぜんとして変わらなかった。 少年は芽生えたばかりの本能に忠実に従いアスカの女の部分に手をのばした。 ショーツの上からそこに触れると手に湿って冷たい感覚がする。 『ぬれてる?』 その感触にいてもったってもいられず、すぐさまアスカのショーツに手をかけ膝までずりおろした。 未知なるそこ光景に彼の理性は消え、性への欲望だけが残る………はずだった。 少女の女性の部分から垂れていたのは愛液ではなかった。 少年がよく知っている白い粘液だった。 シンジは急速に理性を回復し、それと同時に怒りと悲しみが混ざったような、 本人にもよくわからない感情が湧き上がってくる。 「は、ははは」 シンジの口から声にならない声がもれてくる。 アスカがこんな状態なのに、おかしなくらい冷静考えることができた。 『この部屋は監視されているはず。アスカがひどいことされたらだれかくるはずだ。なのに…。は、ハハはッ』 ポタ ポタ ポタ いつのまにシンジの目から涙がこぼれていた。その雫はアスカのはだけたおなかの上に落ち そこから体をつたいシーツに落ち染みを作っていた。 少年はゆっくりとベットから降り、彼女の服装を正し、少女の小さな手を握る。 「アスカ、アスカ。ここを出よう。ここを破壊して、僕たちにやさしくしてくれなっかったここを壊して、二人で暮らそう。一緒にいようよ」 少女の手に少年の涙が落ちる。シンジはそのときアスカが握り返してくれた気がした。 少女を腕に抱き少年は部屋を後にした。 一人の医師がモニターに映る少女の部屋を見ていた。 少年が少女の胸を愛撫している。彼にとってこの光景は見慣れたものだった。 はじめはサードチルドレンの少年を警戒したが、少女に対しやり始めた行為を見て、この少年も私と同類だと確信し警戒を解いた。 彼は少女の主治医であった。現在彼女の監視レベルはきわめて低く、少女を仲間内での性欲便所にするのは簡単だった。 少女の処女を奪ったのも彼であり、それ以来たびたび彼の仲間と共に、その身体を貪った。 モニターの中の少年は下半身の作業に取り掛かるところだった。 そこでさっきまで獣のようだった少年の動きが止まる。 そして服を直し始めた姿を見て、彼は違和感を覚えモニターの映像を消し、 惣流=アスカ=ラングレーの病室である303号室に向かった。 彼が病室に駆け込んだときその部屋には誰の姿もなかった。 「シンジ君やめなさい!」 ミサトが発令所のモニターに映るシンジに呼びかける。 シンジとアスカは初号機のエントリープラグの中にいた。彼らがここまでこれたのは、作業員が弐号機の修理に忙しかったことや、初号機にエントリープラグが挿入されたままだった。などの偶然が彼らにプラスにはたらいたためであった。 すでに初号機を強制停止させるための手段はやり尽くした。ゲンドウも今では黙ったままモニターを見つめている。 「ミサトさん。ミサトさんにとって僕たちって何なんですか」 シンジは膝の上で眠る少女の顔をなでながらつぶやいた。 「……家族よ」 シンジ君とアスカは私の『家族』という言葉をすんなりとミサトはいえなかった。 最近の二人に対する接し方ならなおさらだった。 「家族なら僕やアスカを守ってよ。この組織から。ミサトさんが守ってくれないから、アスカが汚されて、アスカが…。うっぐ。ひっぐ」 シンジの涙がLCLにとけていった。 シンジの発した『汚されて』という言葉がどういう意味かに、最悪のシーンが頭によぎる。 「伊吹二尉調べて!」 ミサトの叫びにマヤがすぐに反応してキーボードをたたく。 「映像、出します。……ひどい!!」 初号機の中のシンジのを映している映像が切り替わって、アスカの病室の録画にかわった。 その映像にはアスカのほかに二人の男が映っていた。一人はアスカの主治医、もう一人は白衣を着ていることから医者だと思えた。 主治医はアスカと繋がっていた。正常位でアスカの足を両脇に抱え男根をうちつづけている。 もう一人の男は、執拗に乳首をなめつづけている。アスカは薬で眠らされているのだろう、腰を打ちつけられているとき以外はほとんど動いていなかった。 「やめてよ! こんなのやめてよ!」 しばらくその映像に見入っていた発令所の面々は、シンジの叫びに我に返った。 「この男たちを即刻、拘束しなさい! ほかに共犯がいないか調べて」 ミサトは保安部に向けて叫んだ。 マヤは病室の映像をシンジの映像に切り替えた。 シンジはプラグの中でアスカを抱きかかえ振るえていた。 「シンジ君、アスカごめんなさぃ。うっ、ひっく。知らなかったのよ。アスカごめんうっぐなさぃ」 手で顔を覆いうずくまって泣くミサト。 「知らなかったじゃないよ。僕たちは何なの? いやなことやらされて。いらなくなったら、ひどいことされて。僕たちは使い捨ての道具でしかないの!答えてよ!ミサトさん!父さん!」 発令所中にシンジの叫びが響く。しかし誰も何もいえなかった。答えられなかった。 シンジを無理やりエヴァに乗らせ、知らなかったとはいえアスカをあのようなめにあわせてしまったのは、間違いなくネルフの人間であることは明かだったからだ。 何の返事もないネルフに絶望するシンジ。 「そうですか……。アスカ、やっぱりここを、ネルフを、全部壊してどこか行こう。僕がついてるから」 ゆっくりと動き出す初号機。拘束具を引き千切り徐々に速度を上げ歩き出した。 モニターのシンジはアスカを腕に抱きうつむいたままだが、途中の壁を突き破りまっすぐ発令所を目指していた。 「まて、シンジ」 ミサトが退避命令を出そうとした瞬間、ゲンドウの低い声が響き渡った。初号機の動きが止まる。 彼の声とほぼ同時に発令所に保安部らしき人間たちが入ってくる。 後ろに二十人ほどの拘束された人間をひきつれて。 拘束された人間の中には、アスカの主治医の姿があり、女性も二人いた。 彼らは横一列に並ばされた。 「やれ」 ドーン ドーン ドーン ドーン ゲンドウの声が合図となり保安部員の銃が火を吹いた。その弾丸は的確に額を撃ち抜き、 確実に死体を増やしていった。銃声が止むと二十一体の肉塊が発令所に転がっていた。 あまりのことに失神する者、もどす者、さわぎだす者とさまざまだった。 「もう気が済んだだろう。初号機から降りろ。シンジ」 先の出来事など彼には何の関係もないかのように言い放つ。 「父さん。僕たちが邪魔になったらそんな風にするの? もういいよ! もういいよ!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 ウオォォォォォォォン!! 「初号機、S2機関始動!」 シンジの絶叫、初号機の咆哮の中マヤが叫ぶ。 すさまじい衝撃波は本部の壁に亀裂をはしらせた。吹き飛ばされた人間だったものが、壁をいくつもの赤黒い模様で彩っていた。 十二枚の金色の羽を開いたとき、ミサトらしきものが初号機の前を飛んでいった気がした。 しかし今のシンジにはどうでもよかった。 なにもかも壊したかった。早くここからはなれたかった。 羽をはばたいたときの風圧で天井や壁が崩れ始めた。上から落ちてくる瓦礫に逆らうように、 初号機は飛び立った。上へ上へと。 初号機が飛び立ったあと、数分前までネルフ本部と呼ばれた瓦礫の山には、 人間で生きているものはいなかった。 第三新東京市の上空に初号機は浮かんでいた。 初号機が飛び出したところは大きな穴となっている。 本部が崩壊した今この街はもう終わりだろう。 シンジの心にほんの少しだけ罪悪感が芽生えた。 「アスカ、アスカ。僕たちをいじめたやつはみんなやっつけたよ。これからどうしようか。 僕は日本を出たい。こんな国にいたくない。そうだ! ドイツに行きたいな。 アスカの育った国、見てみたい。アスカ?」 シンジが腕に抱いているアスカの顔を覗き込むと、いつ起きたのか少女は目をあけていた。 その顔には、今までのつらいことを忘れてしまうような微笑みが浮かんでいた。 シンジもアスカに微笑みをかえし、抱きしめる腕に力をこめた。 初号機はもう一度第三新東京市に浴びせ掛けるような咆哮を上げると、西へ向かって飛び去った。 その咆哮は子供と呼ばれる人間には、うれしそうに聞こえた。 大人と呼ばれる人間には悲しそうに聞こえた。 彼女の声は二人にはどのように聞こえたのだろうか。 END |