つの影は”人間”のものではない。自由意志を放棄したそれは”奴隷”と呼ばれる者達だった。
「くうっ・・・」
少女は背後から、蜜壺を抉られている。その後背から、形の良い乳房を絞りながら、抽送を繰り出
しているのは、この場でただ一人の”人間”である彼らの主人である。少女も、彼女の目の前にい
る少年も、この男にとっては最早”道具”でしかない。彼の欲望を満たすための”道具”でしかな
いのだ。
少女の目の前には、たった今、自らの精を少女の中に放ったばかりの少年が立っている。少年の両
足には鉄球が繋がれ、両手はひとまとめにして、天井から吊り下がった手枷に繋がれている。少女
の方もその両手を拘束されていた。少年と違うのは鎖が左右に分かれているため万歳をするような
形になっている点だ。
行為の最中、二人は体の一部を常に拘束されていた。それは、彼らが自由意志を放棄した道具であ
ることを常に意識させるため。
「ハアッ・アッ・・・クッ・クウッ・・・・。」
少女の体は大量の汗に濡れている生理的な反応を必死に耐えようとしているためだ。
一方、少年は少女から目をそらすことはできない。少年が少しでも視線を切ったり、目を瞑ったり
すると・・・
「ひうっ!・・アアッ!クッ・・・ハァーーッ!」
薬の効果で敏感になった少女の陰核をつまみあげ、その悲鳴を心地良げに耳にしながら、彼女らの
”主人”である男は少年に目を向ける。
「貴方も全く懲りませんねぇ。彼女が気の毒ではないですか。」
男の言葉に、泣きそうな瞳を向ける少年。その漆黒の瞳に映るのは、背後から肉体を貫かれ、目尻
に涙を浮かべながらも、羞恥と屈辱に耐える少女の姿。
屈辱を耐えるだけしか許されない二つの”道具”、少女を見つめる少年の名は 碇シンジ 少年の
前でされるがままになっている少女の名を 惣流・アスカ・ラングレーという。
男は、二つの”道具”を肉体的、精神的に嬲りつつ、自らの欲望の解放に向けて、少女を追い込み
にかかっていた。
視線を切ることを許されない、少年の視線を楽しげに眺め、体内を抉られている少女に命令する
「惣流君、彼のモノをくわえてあげなさい。」
「「くっ・・・」」
屈辱を噛みしめる響きが二つの”道具”から異口同音に漏れる。彼らには主人の命令に逆らう権利
はないのだ。
二人の貴重な獲物を捕まえてから、谷戸は少女を自ら犯す前に、必ず少年と交わらせた。そして、
その後、少年の見ている前で、少女が達するまで・・・即ち男の精が少女の膣の中に放たれるまで
責め上げた。男のモノを膣に差し込まれながら、少年のモノをしゃぶらされるのも、これが初めて
ではない。
それらの行為は、谷戸自身の歪んだ嗜好の現れだった。二人の奴隷にはそれらしく、従順であって
もらわねばならない。だが、その一方で、完全な従属も彼は望んでいない。彼の楽しみは、奴隷で
ある少年少女の中に残された、僅かな誇りと理性にヤスリをかけることなのだ。
男の命じるままに、少女は少年自身をくわえる。少女にとって、少年の存在は、この苦痛と屈辱に
満ちた生活の中での唯一の縁(よすが)なのだ。与えられる彼との交わりだけが、自分に許された
全てであり、例え、それが主人である下衆な男の望みであっても、彼女はその絆を自ら断ちきるこ
とはできなかった。
「アムッ・・・フグッ・・ン・・ンンッ、ハグッ、ンンーーッッ!!」
苦しげな呻き声。少女が少年のモノを口に含むと同時に、男は差し込んだモノをより深く、より激
しく出し入れする。
「く・・く・・・くそっ・・・」
少年の声も屈辱に震える。目の前の少女が屈辱に震えているのに、なにもできない。それどころか
その少女を嬲る行為に荷担させられているのだ。
「さて、それでは仕上げにかかりましょうか。惣流君も彼のを出させてあげな
さい。」
その言葉と共に男は一段とピッチを上げる。
「ヒグッ! クッ・・・ムッ・・ングッ・ングッ・ンンーーッ!」
男の精が解き放たれるのを期待して、歓喜に震える体と、屈辱に抵抗する心。瞳から流れる涙。
「さあ、彼のを出させない限り、注いであげませんよ。」
最後の瞬間のアスカの反応は男の楽しみ。解放の求める少女の体の要求を利用して、その心を
嬲るこの過程は、谷戸にとって堪えようもない娯楽なのだ。
「うっ・・・くっ・・・」
男の命令に従い、自分のモノを吸い上げる少女の舌の動きに、少年も暴発寸前まで追い込まれる
「碇君、君も協力してあげなさい。それとももっと彼女にそのまましゃぶっていて
もらいたいかな?」
嘲笑するような命令が、今度は少年へ向けられる。
シンジは少女の頭を抱え込み、腰を打ちつけ始める。この責めから彼女を救うのは男の命じるま
まにするしかないのだ。
谷戸は、二つの”道具”の汗と涙を十分に堪能すると、少年の限界を見計らって、少女の子宮に
向けて一際深く突きこむ。
「ヒィーーッ、イィーーッ!」
「うあぁぁぁっーーー!」
その一突きで、思わぬ動きをした少女の舌に反応した少年のモノから精が放たれる。動揺した少
女がモノを吐き出してしまったため、迸る精は彼女の顔にまき散らされる。
谷戸はシンジの精が解き放たれたまさにその瞬間、少女の体内に奔流のような白濁液をを注ぎ込
む。
「アアッ・・イヤッ、アアァァーーーッ!!」
絶叫を上げた後、クタリと崩れ落ちる肢体。谷戸は己のモノを引き抜くと、目の前の二つの”道
具”を見やる。萎えた分身を出したまま呆然とへたり込む少年。外と中から精に染められ、荒く
息づく少女。
本来、彼女は既に「証言」を行っている予定であった。だが、その要請はまだ、ここに来ない。
谷戸は汗と精に濡れた”道具”の背中の震えを、満足の笑みをもって眺めながら、上司である大 門玲二一佐との会話を思い出していた。
「するとサードチルドレンの行方は分からぬということか。」
「申し訳ありません。」
上司の問いに、谷戸は恐縮を装って答える。
「米国の連中に奪われたということはないだろうな?」
サードチルドレンを拷問にかけていた作戦部の人間が殺され、被尋問者の身柄が奪われた。そし
て、それとほぼ同時に米国から、サードインパクトの事象解明を求める共同尋問の要求が出され
た。
戦自は日本においてこそ政府を圧迫する力を有するが、サードインパクトにより、国力自体が落
ち込んだ現在、この復権しつつある超大国の意向に逆らうことはできない。
「私の調べた限りでは、それはありません。よしんば連中がサードの身柄を
確保したとしても、それが不利に働くことはないでしょう。」
現政権の非を明らかにすることは、米国にとってもメリットはない。あくまで弱みを押さえて、
脅迫するのが一番なのだ。
ならば、これはチャンスでもある。、ゼーレの手先となって、世界を破局に導く行為に荷担した
事実を公式の場で覆すことは戦自全体としての方針に適う。一方、自分たち情報部がセカンドチ
ルドレンを確保し、競争相手の作戦部が確保していたサードチルドレンを失ったことで、内部で
の勢力争いでの優位も確立した。米国政府が「保証人」となってくれるなら歓迎すべきことでは
ないか。本心を隠したまま、谷戸は上司に申し立てた。
「こうなった以上、セカンドチルドレンの”証言”はより一層の重みを増した
ことになる。抜かりはないだろうな?」
「お任せ下さい。万が一にも間違いはございません。」
谷戸の自信に満ちた返事に、黙って頷く大門。元より疑ってはいないのだ。彼はこの部下の歪ん
だ嗜好を理解するとともに利用してきた”つもり”だった。これまで、期待に応えてきた部下の
能力に信頼を置ききっていた。
米国が乗り出すよう、仕向けたけた本人として谷戸は満足していた。時間を引き延ばしたことで
充分な仕込みを終えることができた。最早、少女は自分から離れることはできない。今のところ
最終段階の兆候はでていないが、ここまで仕込んでいれば確実だ。予定では、明日の証言の最中
に、彼女はそれに気づくだろう。男はその場面を心に描き、加虐的な笑みがこぼれそうになるの
を堪える
少年の方も充分役だってくれた。彼女を精神的に嬲る材料として、今後もとっておきたいところ
だが、そうもいかない。切り札を独占することは危険なのだ。より有力なパトロンに担保として
差し出す必要がある。
「それでは、二人とも今夜はゆっくり休むと良いでしょう。」
主人の許しを得て、二つの道具は、各々の寝室=並んだ檻の中にそれぞれ入っていく。自ら”道
具箱”にしっかりと鍵を掛けると、谷戸は入り口の格子から出ていった。
・
・
・
「明日、アタシは証言するわ・・・」
ぼんやりとした光が残った部屋で、少女が呟いた。少年からの返事はない。別に今日に限ったこ
とではなかった。ここ数日はこの隣り合わせの檻に二人っきりで残されている。
その間、今夜のように、少女の方は、半ば独白のように口を開くことはあったが、少年の方が、
それに応えることはなかった。
これは、少年と少女が完全に壊れてしまわないよう、谷戸が計らった処置なのだ。少女のプライ
ドと、少年の罪悪感を刺激し続けることがその狙いだった。
実際、彼女が口を開くたびに、少年の罪悪感は募る。少女は自分の行為に”少年を守る”という
意義を持たせ、目の前の彼の存在を確認することで、壊れそうになる精神を維持している。
一方、少年の方は、その事実を正確に洞察していた。そしてそれ故に、彼の苦衷は大きかった。
何とか彼女を救いたい。だが、どうしようもないのだ。仮に死を選んでも、彼女のここまでして
きたことを無にすることになるだけで、二人とも救われない。
少年がここに来てしまったこと。否、彼女をあのとき、あの浜辺で殺しておけなかったことが、
この絶望感に満ちた現実ををもたらしたのだ。
「アタシは、アンタを助けてやるわ・・・アンタを告発すれば・・・アンタは
助かる。」
少女は別に少年を苦しめようとしてるのではない。こうして自分の心を励ましているのだ。少女
がシナリオ通りに話せば、男は、少年を生け贄にしないと言っている。少女は少年を助けるとい
一事に心を絞り込んでいた・・・それが、それだけが彼女の支えとなっているのだ。
少年はそれが分かっていた。だから彼は耳を塞ごうとはしなかった。
明けて、翌日、少女は久々に外の世界に出た。しかし、心は囚われのまま。自由意志などない。
谷戸の部下二人に伴われ、車の後部座席から下りる。ここ数日、半裸で過ごしてきたため、身に
スーツを纏っていることに僅かな違和感を感じる。
銃を抱えた兵士が二人、迎えに出ており、4人に囲まれた形で、少女はその建物の中に入った。
そこは、かつてオフィスビルとして使用されていた施設を戦自が徴用したもの。その中の一室、
窓のない大会議場に今回の舞台は用意されていた。
部屋に入ったアスカはやや意外に感じた。軍人達だけでなく、報道陣も入っている、主尋問席に
座っている3人も、二人までは戦自の人間だが、一人は軍人ではあるが金髪碧眼。両脇に広がっ
た席にも外国人の姿が混じり、報道陣の物と思われる数台のカメラがある。
席の中に谷戸と大門がいる。アスカと視線が合うと、谷戸は例の満足げな笑みを浮かべた。
状況からして、ことを闇から闇に葬るつもりではないようだ。むしろ、情報を公開することで、
捏造した事実を公式見解にするつもりなのだろう。
尋問に先だって、ここに至る経緯が説明される。
補完計画により人類滅亡を狙ったネルフ。それを阻止するために、日本政府のを依頼を受けて出
動した戦略自衛隊。迎撃にでた真紅の機体。そしてその操縦者はサードチルドレン、碇シンジ。
セカンドチルドレンたる証人は、療養中で出動できず、事後、調査部隊により保護。
それを聞きながらアスカは考える。この公開された状況を利用することはできないかと・・・。
彼女が想像していた密室形式での一方的な公判ではない。”真実”を伝えることで事態が好転す
る可能性が僅かでもあるのなら・・・
『・・・でも、そうしたら、アイツが・・・。』
ここにいない少年の姿が頭の片隅をよぎったとき、彼女は理解した。谷戸は彼女が最早、逆らえ
ないことを知っているから、この場を公開にしたのだ。密室で強要し、公開の場で自白させる。
インパクト以前からこの国で使われてきた、伝統的手法。谷戸はその一部に自分の歪んだ性癖を
盛り込んでいるだけなのだ。
『そう・・・アタシは・・・”奴隷”』
かつて、自分で考えることを自らに命じ、自分の才能を信じて生きてきた少女。その誇りは今の
彼女にはない。今の彼女にあるのは・・・。
『”奴隷”として・・・アイツを守る・・・』
・
・
・
名前を呼ばれて、証言台に進む。その瞬間、彼女の身体が、”ビクン!”と撥ねた。それを尋問
官を始め、会場の人間の多くは緊張のためだと思った。そして、その時、一人の男が、嗤う形に
唇を歪めたことに気づく者はいなかった。
与えられる質問は、戦時によって説明された”事実”の確認。全てを肯定する。ネルフによる人
類大量殺戮の試みも。ネルフの計画を擁護する弐号機と破滅を防ごうとする戦自との戦いも、弐
号機を使った大量殺人者のパイロットが碇シンジという少年であることも全て肯定する。
彼女にしてみれば、少年や自分自身が周囲の人間からどう見られるかなど関係なかった。自分が
彼を守れるのは、自分が”奴隷”であるからなのだ。ならば”奴隷”としての務めを果たすこと
で、彼を守るのが彼女の全てだった。
淡々と全てを肯定するアスカ、その身体は時々震え、うなじには汗さえ光る。多くの物は無理も
ないことだと同情したかも知れない。
全ての質問を肯定し、会場を出た瞬間、アスカは崩れるように倒れる。彼女を送ってきた谷戸の
部下二人が、それを支える。
ほとんど抱えられるようにして、ホールを出て、正面につけた迎えの車の後部座席に彼女を放り
込み、二人一人が助手席に入り、一人はその場に残り車は滑り出した。
「ご苦労様でしたね。」
後部座席で少女を部下から受け取った男が、大事な”道具”を抱え込み、優しげに声をかける。
アスカは上気しきった顔を上げる。目尻に涙を湛えた蒼い瞳は非難と疑問と不安に彩られていた
「不思議でしょうね?薬も塗られていないのに、こんなになってしまうのは・・・」
谷戸は彼女のスカートを落とし、ブラウスの前をはだける。下着代わりに着させられているレモ
ンイエローのレオタードが剥き出しになる。その布地は全身から吹き出た汗に湿っており、股間
にいたっては吸収できない蜜が、内股にあふれ出ている。
「クッ・・・何をしたのよ!」
屈辱の中で、解放を求める身体の欲求を抑えることができない。まぎれもなく、あの薬と同じ効
果が彼女を襲っていた。
「あの薬の効果の素晴らしさが分かったでしょう?薬と生で何度も精子注ぎ込んで
あげましたからね。これであなたには、わざわざ薬を使う必要もなくなったわけ
です。」
「嘘っ!?」
瞬時に男の宣告の意味を理解して、アスカの口から悲鳴が上がる。頭が事実を否定しようとして
ても、身体がそれを否定する。
「嘘かどうか、貴方自身が良く分かってるでしょう?」
男は、アスカを膝の上に抱き上げ、背後から勃起した乳首を布越しにつまみあげる。
「アアッ、イヤァァーーッ!」
更に股間へと手を這わし、秘裂をなでたかと思うと、既に充血しきった陰核を押しつぶす。
「ヒイッ、ダメェェーーーッ!」
グショグショに濡れきった股間からさらに蜜があふれ出す。それは谷戸が自らの精を溶かし込ん
だ媚薬のもう一つの効果。彼が毎日精を注ぎ続けた結果が、今アスカの身体に「精液中毒」の禁
断症状となって現れているのだ。
「イヤァーーッ!!こんなの、イヤァーッ!」
事実の理解が、彼女に耐え難い屈辱と嫌悪感を与えていた。男は背後から彼女の身体を嬲りつつ
その耳元に口を寄せて語りかける。
「いやだというなら、仕方がないですね。このまま放っておいてあげても
良いですよ。」
言葉とともに、レオタードの股の部分から指が滑り込み、少女の身体が更なる震えが走る。男は
その指を動かしながら言葉を続ける。
「でもそうすると、あなたは、発情した牝犬になっていまいますよ。良いの
ですか?”彼”のことも忘れても・・・。私は構いませんよ。あなたが性
の吐け口にされるのを”彼”に見せるのも楽しそうですからねぇ・・・。」
その脅迫は、少女に選択ができないと知っていればこそとれるもの。彼自身、彼女をそう簡単に
牝にしてしまうつもりはない。
男の言葉に振り向いた少女。憎悪を示す形の良い眉と口元。だが、その瞳は、”奴隷”として服
従せざるを得ない屈辱に満ちた理解がある。
彼女の恥辱が涙となって頬を伝い、それを承諾の印として男は背後から、モノを挿しこんだ。
「ハゥッ! イッ・アアァーーーッ!」
既にドロドロになっている膣道を、男のモノに勢い良く貫かれる感触。
(アタシ・・・どんどんダメになっていく。このままじゃ・・・)
頭の隅で墜ちていく自分に絶望を感じながらも、口からは、抑えきれない嬌声を涎とともに漏ら
し続ける。
そんなアスカに対し、谷戸は勢い良く抽送を繰り出しながらも、時々背後を振り返り、自分達の
後を追ってくる車の存在を確認していた。
「ダメッ、ダメッ、早く、お願い、アタシもう・・・お願い・・・」
アスカは既に限界を感じていた。口から漏れるのは嬌声から哀願に変わっている。男にしても彼
女を狂わすために責めているのではない。狂気に至る寸前の旬。それを楽しむことこそ、この男
の歪んだ性向である。
少女の溶けだす寸前を思わせる膣壁の中で男のモノが急速に膨れ上がり爆ぜた。
「ハヒッ!シ、シンジィィィーーーッ!!」
アスカはようやく果てることを許された瞬間、ここにはいない少年の名を叫んだ。彼女を捕らえ
て以来、その唇から少年の名が出るのは初めてではない。しかし、このとき、この言葉は谷戸の
持つ弑虐政を刺激するものがあった。ようやく果てたばかりの身体に再び覆い被さる。
「アッ・・・イヤッ・・・やめてっ・・今は、今はダメなの・・・
アアッ、ダメェーーッ!!」
散々に焦らされた末に、やっと上り詰めることを許された身体は、その余韻の波濤も大きかった。
今や感じすぎるほどになっている彼女の身体を容赦なく蹂躙していく。
「イヤッ・・イヤッ・・ダメッ、シンジぃぃっ・・・」
箍(たが)が外れたように、彼女の喘ぎ声には少年の名が混じるようになった。少なくとも谷戸
にはそのように感じられた。そして少年の名を呼びながらもだえ狂う少女を、更によがり狂わせ
ることに堪えられないような残虐な喜びを見いだしていた・・・。
薄明かりに照らされた地下の駐車場に、車は滑るように入り込んで止まった。扉を開いて降りた
男は、続いて少女を引っぱり出した。よろばうように這い出るアスカ。スーツは上下とも既に脱
がされており、はだけたブラウスと下着代わりのレオタード姿。その二人の前にもう一台の車が
止まる。
中から降りて来たのは、谷戸の上司、大門玲二一佐だった。
「谷戸一尉、ご苦労だった。流石だ。」
ねぎらいの言葉の後、散々に犯され、憔悴しきったような少女に一瞥を加える。
「セカンドチルドレンの身柄は、公式に我々の預かるところになる。」
「 ”我々”? お言葉ですが一佐。彼女は”私のもの”として預からせて
いただくつもりですが・・・。」
「何・・・?!」
その返答は、内容より、語調によって大門に不信感を抱かせた。上司の当惑を余所に、谷戸は言
葉を続ける。
「一佐は、私が職務より趣味を優先する人間であることを、ご存じだと思って
おりましたが・・・。これだけ上等な獲物が手に入った以上、それを手放す
とお考えでしたか?」
「おい、何を言ってる、正気か?セカンドは、既に公式の場に出しているのだぞ。
情報部として保護していなければ、作戦部や米国が納得せん!」
大門は、部下の言葉に動揺を隠せない。元々、狂気に近いところがあった男だが、きちんと計算
はできる筈で、その点を押さえることで、今まで御してきたのだ。それが、今回に限りこのよう
な態度に出るのはどうしたことなのだろう?一佐は彼が、自分の後ろ盾を必要としていることを
疑っておらず、ここに及んでの詰問の愚かさに気づいていない。谷戸は上司に向かって遠慮なく
その愚かさを教示した。
「ご心配なく。今後は私の責任で、彼女には証言台に立って貰います。このことに
ついては、先方も了解済みです。」
谷戸の合図と共に内部に通じる扉が開き、谷戸の部下と共に一人の外国人が出てくる。
「?!」
そこにいたのは、米国人と思しき二人の兵士だった。そして二人の兵士の間には目隠しをされた
少年の姿が・・・。
「シンジっ!!」
それまで、ことのなりゆきを他人事のような虚ろな目つきで聞き流していた、少女が別人の様な
叫びを上げた。
「サードチルドレンだと?!谷戸、貴様っっ!」
部下の裏切りを初めて知らされた無能な上司の叫びに、一つの銃声が重なった。
・
・
・
「アスカ!ここにいるの?!」
「シンジ・・シンジををどうするつもり?!」
谷戸の一撃で頭を打ち抜かれた死体にはまるで、感心を示さず、ただ互いの安否を気遣う二人の
”奴隷”。今の彼らには、互いの存在だけが何物にも代え難い唯一のものになっているのだ。
「この国では、サードチルドレンは犯罪者としてしか生きていけません。
ですから、アメリカ合衆国に、その身柄を保護してもらうことにしたの
です。」
少年と引き離される。そのことを知って少女は悲鳴に近い声をあげた。
「嘘よ、アンタ、シンジを売って、自分の安全を計るつもりでしょう?!アタシ
は、約束を守ったのよ。アンタにも守ってもらうわ!」
「約束? 勘違いしてはいけませんね。貴方は奴隷としての務めを果たしただけ
でしょう?だいいち、その格好でよくそんな口がきけますね。さっきまで何を
をしていたか彼にも教えて上げますか?」
谷戸の言葉にアスカは、口をつぐんだ。その肩が僅かに震えている。そう彼女はここにくるまで
男の精なしでは意志を持ち続けられない性奴隷ならぬ精奴隷である立場を思い知らされていた。
「ア、アスカに何をしたんです!」
目隠しをされたシンジには、アスカの姿が見えない。股間の部分が変色するほど精を注ぎ込まれ
たレオタード姿の少女を見ないで済んだことは彼にとって幸いだったかもしれない。
「碇シンジ君、君が今まで通り、新しい主人にも忠誠を保ってる限り、彼女の
身は私が責任を持って守って上げます。」
男の「責任の持ち方」を知っているシンジは、その言葉に反吐をかけたくなるような憎しみを覚
えた。だが、彼には男に逆らうことができない。自分の無力さは嫌と言うほど思いしらされてい
る。
「では、よろしく。」
成り行きを無言のまま見つめていた取引相手に少年を引き渡す。谷戸は少年の身柄を引き渡すこ
とで、新たな情報部長の座を得、前任部長の死の責任を、勢力争いに敗れた作戦部の犯行とする
ことで、更に地歩を固める。これらの後ろ盾を米国に頼るため。日本政府を脅すための切り札と
してサードチルドレンの身柄を預ける。これが中将に提案された内容だった。
引き渡された少年に向かって、谷戸は最後の言葉を伝えた。
「貴方へのサービスとして、惣流君の、法廷での証言を今後も続けさせて
あげましょう。くれぐれも彼女がその場に出られなくなるようなことは
謹んでください。」
少年は、深い憎悪と絶望を抱えたまま車に乗せられ、その場を去っていき、涙と汚辱の液にまみ
れた少女は、その場に残された。地下の世界に相応しく闇が彼らの間に横たわっていた。
監禁5〜愛のない世界〜「盲従」 FIN.
拙い作文におつきあい頂き、誠にありがとうございます。
次話をもって最終話です。後書きはそちらにて・・・。
なお、この作文は「感想不要」を宣言しております。