立海戦。
乾先輩の幼馴染の柳とか言う人が出てきた。
小さい頃から知っているから仲がいい。
募る話もあるんだろう。
すっごく楽しそうに話をしていた。
「・・・・勝負だ、博士!!」
「こい、教授!!」
俺の知らない世界がそこにある。
先輩は俺のものなのに。
俺だけのものなのに・・・・・
独占しすぎちゃいけないことくらいわかってる。
だけど・・・・抑えられない。
「ねぇ、俺ほっぽって・・・・何してんの?」
「越前・・・。教授と話をしていたんだ。」
「教授?誰、それ?」
「あぁ教授じゃわからないか?立海の柳蓮二だよ。」
「あぁ、あの糸目の。何はなしてたの?」
俺がそういうと、先輩は嬉しそうに話し出す。
自慢のデータ帳を広げながら。
俺にはわからない話を。
「あぁ、凄いんだ。教授は俺専用ノートが既に11冊に入ってるらしくて、俺も負けていられないよ。」
「・・・・・・変態なんじゃない?」
「蓮二は変態なんかじゃないぞ!」
俺との話では絶対に見せてくれない笑顔。
それをいとも簡単に出させる相手に嫉妬する。
悔しくて口にした言葉に、先輩は間髪いれずに否定する。
「ふ〜ん・・・・・・即答するんだ。」
「当り前だろう?蓮二は俺の大切な幼馴染だからな。」
「俺は?俺は先輩にとって・・・・・何?」
「越前は大切な後輩だろう?」
「・・・・・・・・」
不安になって訊いた質問。
訊かなきゃ良かった。
涙が出てきた。
涙を見られたくなくて俯く。
先輩は心配そうに顔を覗き込もうとする。
「・・・どうしたんだ?越前。」
「俺は先輩にとって後輩なんすね。」
「・・・他になんて言ってほしいんだ?」
気づいてない。
それよりも通じてない。
悔しかった。
俺だけが一方的に思ってるのかと思うと。
思われてないんじゃないかって・・・・思うと。
涙の溜まった瞳で先輩を見上げる。
「俺とは違うんだ・・・・・・」
「・・・越前?」
「もういいッス。」
「おい越前!」
「先輩にとって俺は大切な後輩の一人なんすよね?!」
俺がそういうと先輩は困った顔をした。
瞳から涙が一滴流れる。
堪えてたものが・・・・・
一緒に零れてしまった気がした。
もう、抑えきれない。
「他になんて言えばいいんだ?!恋人とでも言えばいいのか?!」
「俺はそう思ってるのに!!!」
「でも俺は越前にきちんとそう言われた覚えはないぞ?」
「いったすよ!!!先輩、おぼえてないんですか?!」
先輩の口から出た言葉。
俺の胸にずっしりとのしかかる。
そんなに軽い言葉だったのか・・・・先輩にとって。
俺にとっては一生分の勇気を使っていったと思ったのに・・・・
「いつ言ったんだ?本当に俺に言ったのか?」
「言った後に先輩が真っ赤になって逃げたじゃない!!」
「っ・・・!!!」
先輩が真っ赤になる。
その時の光景を思い出したようで・・・・
俺はそれが消えないうちに追い立てるように言葉を続ける。
「酷いよ!!俺、あの後辛かったんだから!!」
「ご、ごめん・・・。」
「まだ返事貰ってないっすよ。」
「え・・・あ・・・・・その・・・」
先輩がどもる。
なんとなく、予想はしていた。
いいにくいんでしょう?
俺は本当は聞きたくないけど、言葉を促した。
「嫌いなら・・・・・嫌いっていってくれていいっすよ。」
「嫌いなんかじゃない!!・・・・・・・・その・・・俺も・・・・好き・・・だ。」
「先輩!!」
目の前にいる先輩を抱きしめる。
身長差で抱きついているようにしか見えないけれど・・・・
しっかりと離さない様に強く抱きしめる。
「ごめんな、越前。」
「俺、嬉しい。」
「そうか・・良かった。もう泣いてないよな?」
「泣いてなんかないっすよ。もう。」
「そうか。」
先輩がニッコリ笑う。
俺もニッコリ笑う。
そっと上着のポケットに手を突っ込んで・・・・・
「コレでよし。」
カチン♪
機械音が微かに聞こえる。
先輩はこっちを見下ろしてきた。
「?・・・・・・・カチン?」
キュルルルル・・・・・とテープの巻き戻る音。
そして聞こえてくる・・・・声。
『・・・・・・・・・・その・・・俺も・・・・好き・・・だ。』
カチンと再生を止める。
「!?!?!?!?!?!?」
驚く先輩。
俺は上手く撮れていて、ニヤリと笑う。
「え、越前!?!?!?!?」
「先輩、証拠いただき。」
「しょ、証拠って・・・・・・・そんなもの必要ないだろう!」
「先輩、他の人に狙われてるの気づいてないんすか?」
先輩はモテる。
女の子じゃなくて、同じ男に。
不二先輩とかみんな結構好意を持って接してる。
が、それに気がついていないのは先輩だけだ。
「・・・・俺を?誰が?」
「鈍いっすね。」
「鈍いってなんだよ。こんな大男を好きだなんて言う物好きは越前くらいだろ。」
「本当に気がついてないんすね。」
「?・・・・だから何なんだ?」
「知らないほうが身のためなんじゃないかなぁ?」
ニヤリと笑うと、先輩は首をかしげる。
そして、向こうに見えた人に声をかけた。
「?・・・仕方ない、不二にでも聞くか。」
「そ、それはやめたほうが・・・・・・!!!」
よりによってその人選?!
いっちばん危ない人に声をかけるなんて・・・・・
天然にも程がある。
ボソっと呟いた程度なのに、不二先輩はこっちへやってきた。
「呼んだかい?」
「だって越前が話してくれないんだ、他に聞くしかないだろう?・・・やぁ不二、実は聞きたい事があってね。」
「僕が知っていることならなんでも教えてあげるけど。」
「そうか?それじゃあ、俺はどうやら誰かに狙われてるらしいんだが、その誰かって誰だかわかるかな?」
「狙う?」
「あぁ、狙われてるらしい。」
「どういうこと?」
先輩に突然言われた言葉に、不二先輩は頭をかしげる。
先輩もわかりやすいように言葉を選ぶ。
「簡単に言えば恋愛感情なのかな。」
「それなら・・・・・フグ!!」
これ以上余計なことを言われちゃ堪らない。
俺は慌てて不二先輩の口を塞いだ。
折角掴んだ幸せをそう簡単に渡してなるもんか。
「越前、そんな事したら話が聞けないだろう?」
「そうなるように塞いだんすけど・・・・・」
「何でそんな事するんだ?」
「先輩は俺のものですから。」
「それはわかってるから手をどけてくれないか?不二の話が聞けない。」
「!!!!!」
え?え?え?
今、アッサリすっごいこといった?
俺のものでいいの?
そんなこと聞いちゃったら余計に放したくなくなっちゃうじゃない。
「越前、手を離してくれ。」
「死んでもイヤ!!」
「なんで?」
「先輩のこと全員が狙ってるなんて・・・・・あ。」
自分で必死に隠してきたことをいってしまう。
自分の口を押さえてみてももう遅い。
先輩は変な顔をした。
「全員?・・・全員てテニス部皆なのか?」
「こ、これ以上いわない!!」
「越前!!言うんだ!」
「イヤだ!!いったら先輩がはなれてっちゃうかもしれないもん!!」
「何で俺が離れていくんだ?俺の気持ちはさっきちゃんと伝えたじゃないか!信じてないのか?」
信じていないわけじゃない。
うぅん。
逆に信じてる。
だけど、どうしても頭から拭いとることが出来ないんだ・・・・。
「・・・・・不安なんだ。」
「不安?」
「先輩、人気だから。」
「俺なんかよりも越前の方が人気だろう?これでも俺だってずっと越前が恋人をつくるんじゃないかって不安だったんだぞ?」
「先輩・・・・・」
「越前・・・・・・」
「プハ!!ノロケなら二人でやってくれない?!」
今まで口を押さえたままになっていた不二先輩が口を開く。
先輩はさっきまで疑問だったことを思い出し、再び質問を始めた。
「あ、不二・・・・。ごめん。で、さっきの続きは?」
「もういいたくない。し〜らない!」
「あ、不二!!」
そういってみんなのいる方へ先輩は行ってしまった。
今までここで見聞きしたことをみんなに言わないとは限らない。
これ以上、邪魔されたくない。
俺は先輩を見上げた。
「先輩、あっちにいきませんか?」
「あぁ、いいぞ。」
俺は先輩の手を引きながら人気のない体育館の裏へと連れて行く。
体育館のせいで日が翳っている裏側は、少しひんやりとしていた。
「こんな所に来てどうするんだ?」
「来てどうする?決まってるじゃないっすか・・・・・・こうするんです。」
地面に押し倒そうとするけど、身長差に体重差がありすぎて全く動かない。
先輩は俺が何をしたいのか、全くわかってくれてなかった。
「え?」
「・・・・・ッ!」
「?・・・越前、何をしたいんだ?」
「!!!!」
「うわ!越前!何するんだ!!」
ふと俺に注意が反れた瞬間に、身体がぶれる。
其処を俺の持てる全力の力で押したら・・・・・
先輩の身体が地面に倒された。
俺は、地面に尻餅をついた形の先輩の胸に顔を押し付けた。
「俺、本気で先輩が好き・・・・・・」
「越前・・・・・・」
「俺以外を見ないで・・・・・・俺以外の声を聞かないで・・・・・・」
「越前・・・・俺は俺なりに越前を優先してきたつもりだったけど、それじゃあ不満かい?」
「先輩の中で1番がいいんだ。俺の中は先輩だけなのに。」
俺の心の中はいつも先輩だけで一杯。
何においても先輩が1番。
俺だけじゃなくて・・・・・
先輩も思っててもらいたかった。
消えてしまいそうな小さな声での呟きに、先輩は優しく頭を撫でながらいってくれる。
「俺も越前が一番だよ。」
「本当?」
「本当だ。信じてくれないのか?」
「信じる。信じるッス。」
「そうか、良かった。」
先輩の心は俺のもの。
それがわかってすごく嬉しかった。
俺は、押さえ切れなくなって先輩のベルトに手をかけた。
カチャカチャと金具の音が静かな体育館裏に響く。
「ん?」
先輩が気がついたときにはもうベルトははずされていて、前が全開状態になっている。
先輩が慌てて隠そうとするけど、そんなの無視で続行だ。
「ちょっ、越前!?」
「なんですか?」
「何を・・・・・してるんだ?」
「何をって・・・・ナニですけど?」
「越前!!ここ外だぞ!?」
「誰も来ないっすよ。下校時間、とっくの当に過ぎてるし。」
「ぶ、部活をしている奴はまだ残ってるだろう!?」
顔を真っ赤にしながら止めようとする先輩。
そんな先輩が可愛くて、顔を眺める。
ここだとちょっと寒いし、ムードに欠けるから場所を移動してもいいかもね。
「じゃ、場所変えます?」
「た、たとえば?」
「保健室、体育倉庫。」
「家という選択肢は無いのか?」
「それでもいいっすよ。」
俺がそういうと、先輩はあからさまにホッとした。
別にいいよ。
最初は先輩が好きなほうにしてあげる。
でも、今言ったとこはいずれ試す気だけどね。
「じゃ、じゃあ家にしよう。な?」
「いいっすよ。どっちの家にします?」
「うちは・・・今日は皆いるから無理だ。」
「オヤジが覗くの気にしないなら俺ん家で。」
「そ、それはちょっと・・・」
「やっぱりここで・・・・・」
「っ今日はやめるって選択肢は?!」
「いやっす。」
有り得ない選択肢に即答で否定。
やめるわけないじゃん。
折角心がわかったのに・・・・・
満足できると思ってる?
俺の即答に、先輩の顔が引き攣る。
「・・・・・・・絶対に?」
「絶対に。」
「・・・・・・・・・わかった。だけど1回だけだぞ?」
「・・・・・一応約束します。」
「い、一応?」
「守れる自信、ない。」
「越前・・・・・お前いつもそう言って俺が気絶するまでやるだろう?」
「だって・・・・・先輩が俺を誘うから。」
「誘ってなんかない!」
「先輩、声がエロいっす!」
「エ、エロ!?約束できないならやらないぞ!」
「実力行使するだけっすよ。」
「何!?」
「覚悟!」
「うわぁ!!」
無理矢理先輩を地面に押さえつけて。
その上から覆いかぶさるように俺が乗る。
耳元に口を寄せて、俺は囁く。
人には聞かせないような・・・・・甘い声で。
「・・・・・先輩。」
「っ・・」
俺の声に先輩が息を呑む。
そして、身体を硬くして・・・・・
顔が朱に染め上がる。
「俺だけを感じて・・・・?」
「越・・前・・・。」
「先輩を誰にも・・・・・・渡さない。」
「俺だって越前を誰にも渡したくないよ。」
「じゃあ、名前を呼んで?ずっと、ずっと名前呼んで。」
「リョーマ、リョーマ・・・・好きだよ、リョーマ。」
「・・・・・!!!!」
本当に言ってくれるとは思わなくて。
好きだと甘い声で囁いて言ってくれるとは思わなくて。
不覚にも俺が真っ赤になった。
やっぱり・・・・・
「リョーマ?」
「・・・・・やっぱり先輩には勝てないや。」
「・・・?」
「貞治・・・・・先輩。俺も、好き。」
「リョーマ・・・。」
いつか俺の言葉に先輩が固まるまで
勝てる日が来るまで・・・・・
先輩の言うことを聞いておくことにするよ。
R18?と疑うような話です。
今回はリョーマ×乾。
リョーマは生意気なんだけど、可愛さを全面的に押し出してきた・・・・・つもり。
ただ、乾がステキすぎて!!!
何もいえません。
夜神さんの乾可愛いなぁ・・・・。
この後、どうなったかは・・・・・・
皆様のご想像の中に☆